平衡 
home
back


オレンジに染まる夕空に、月と太陽が並んでいます

太陽が月に言いました
「君は我が光によって輝いているのだ」

月は答えていいました
「貴方は強く明るく暖かい けれど貴方はお昼だけ
貴方のお留守の間の空を 照らしてるのは誰かしら」

太陽はなおも言いました
「確かに夜は君の世界 夜が常闇ならぬのは 君によるものかも知れぬ
しかしそれなら君だって 常には夜空に居ぬではないか」

月は再び答えます
「確かに私は気まぐれよ だから時には真昼に昇る
だけど貴方もそうなのよ」

驚いた太陽は言葉を返そうとしましたが
それを留めて月は言います

「貴方は季節の巡りの中で 大きく力をお変えになるわ
だから地上の者たちは 春に喜び 昼に感謝する

私も 常には夜空にいないから 丸く輝き天の隅々まで照らすとき
地上のものは私の姿を輝きを 静かに見つめて誉めそやす」

押し黙る太陽に 月はなおも語ります

「貴方も私も同じなの
だって私の輝きは 貴方にもらったものだから
そんなに私の気まぐれが お気に召さぬというのなら
どうか貴方が一度でも 沈むことなく照らしてみてよ」

細い月を追うように 夕日は沈んで行きました